三浦雅士「漱石 母に愛されなかった子」は、「拗ね者」としての漱石、「じゃあ消えてやるよ」というモチーフの反復、フロイドとの類似性など、新鮮な視点が提示されていて、面白かった。
漱石の生涯や作品の中に、ある一本のモチーフを見出そうという試みには、いくつか接してきた。
古くは「則天去私」を基点に全作品を読み解こうとした岡崎義恵。徴兵忌避への罪悪感に苛まされる漱石、という像を描いて見せた丸谷才一。作品に繰り返し表れる「三角関係」に着目する吉本隆明。
三浦の漱石論はその系列として読むことも出来るが、「現代思想」の元編集者という目で見てしまうせいか、丸谷のような強引さは感じられなかった。
うーん、でも、漱石は一色には染められない。ワタクシは、作家漱石の母胎は「文学論」であろうと思い込んでおります。
漱石の生涯や作品の中に、ある一本のモチーフを見出そうという試みには、いくつか接してきた。
古くは「則天去私」を基点に全作品を読み解こうとした岡崎義恵。徴兵忌避への罪悪感に苛まされる漱石、という像を描いて見せた丸谷才一。作品に繰り返し表れる「三角関係」に着目する吉本隆明。
三浦の漱石論はその系列として読むことも出来るが、「現代思想」の元編集者という目で見てしまうせいか、丸谷のような強引さは感じられなかった。
うーん、でも、漱石は一色には染められない。ワタクシは、作家漱石の母胎は「文学論」であろうと思い込んでおります。
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