三浦雅士の「漱石 母に愛されなかった子」は、なんとか昨夜読了(感想は後日書きます)。

続けて、保坂正康「東京が震えた日」を読書中。2.26事件と東京大空襲を取り上げている。

先の戦争に関する本は、論じる人によって「事実」すらが違ってくる。保坂正康は、「昭和陸軍の研究」を読んで以来、信頼している書き手です。

先日ふと思ったのだが、1955年生まれの私にとって、1904年の日露戦争は生まれる50年前の出来事で、まるで実感がない。
一方、1945年の敗戦から現在まで、既に60年以上が経過している。てことは、2000年以降に生まれた人にとって第二次世界大戦は、私にとっての日露戦争みたいに、はるか遠くの出来事ってことなのだろうか。

だとすれば、戦争がそれを体験した世代にとってどれほど切実なことがらであっても、その言葉はこれからの世代に果たしてどこまでうまく伝わるのだろうか。

最近私の周囲でも、「あの戦争」をマニアックに、なにか関が原の戦いでも論じるように話す若者が現れ出したが、ある意味当然のことと言える。

こういうことを勘定に入れて「平和」を考えなければ、世の中危うくなるばかりじゃないかなあ、などと思ったのであります。

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